あいあいのブログ

ヲタクの日々

読書

村田紗耶香『生命式』

20200123読了。 「コンビニ人間」で芥川賞を獲った作家の短篇集。 人が死んだ時「生命式」と称してその人を参集者で食べ、そこで出会った男女がセックス(この世界では受精という)をし、死から生を生み出すという表題作、死んだ人間を素材としてインテリア…

フォンダリー『翡翠城市』

フォンダリー『翡翠城市』 「ゴッドファーザー×魔法」のSFアジアン・ノワールとか言われたら、読まずにはいられないではないか。しかし、ペーパーバックなのに\2500という価格にビビって図書館で借りて読んでいたところ、あまりの面白さにネットで注文(^▽…

矢野隆『朝嵐』

20190718読了 矢野隆『朝嵐』 平安時代の武将源為朝の生涯を描いた歴史小説。 子供の頃子供向けの「椿説弓張月」を読んで(中身は忘れた)名前だけ知っていた源為朝。 「こういう人物だったのか」と興味深く読めた、ただ小説としては前に読んだ『鬼神』の方…

闇夜の底で踊れ

20190714読了 増島拓哉『闇夜の底で踊れ』 たいしたもんだ。 プロットもいいし、構成もいい。 なにより会話がすごく面白い。 ところどころ若さが透けて見える部分。それから「~である」という文体がいただけない(しかしそれも「計算か」と思われる節もある…

『飛田百番  遊郭の残照』

20190630読了 『飛田百番 遊郭の残照』 先日読んだ『写真家語る「百番」と飛田新地』の前編にあたる(たぶん)こちらも、良かった! ということで、昨日、仕事の帰りに、飛田新地へ行き女の子の顔ではなく、建物に眼を向ける。 多くは建て替えられているのだ…

結月裕子『凶犬の眼』

昨年読んだ『孤狼の血』の続編。 前作の序章にあるような、大上の跡を継いだ日岡の悪徳(?)刑事の物語かと思いきや、そこへ至るストーリーだった。 第五章(最終章)が白眉。男臭い! しかし、この作家その面白い所へ行くまでの序章が長いのね。 ただ、こ…

矢野隆『鬼神』

大江山酒呑童子退治譚を元にした歴史(?)時代(?)小説。 冒頭の坂田公時と熊の格闘シーンからリアルで迫力があって引き込まれる。 荒唐無稽の伝説(説話?)をよくぞここまでリアルな物語に仕上げたものよ。 この作家凄いな。 しかし登場する男達、朱天…

写真家語る「百番」と飛田新地

20190602読了 www.yosensha.co.jp めちゃめちゃ良かった。 大阪飛田新地と、その中にある料亭「鯛よし百番」。その建物のありよう、歴史を写真と図面と記事で紹介した本。 今まで行きたい行きたいと思いながら外から眺めているだけの「鯛よし百番」。その日…

円城塔『文字渦』

20190426読了 文字についての小説。 文字について徹底的に考え奔放な想像力と検索力を駆使して創造した文字宇宙。よくぞこんなの考えついたなと。 あまりの面白さに電車の中で何度「わっ!」と言い「おお!」と声を上げ「わははは」となったことか。 しかし…